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鹿ヶ瀬峠(熊野参詣道 紀伊路) ししがせとうげ(くまのさんけいみち きいじ)

ノーイメージ画像
地域 有田地域
所在地 有田郡広川町河瀬,日高郡日高町原谷
指定年月日 平成12年11月2日指定、平成14年12月19日分離・追加指定・名称変更、平成24年1月24日追加指定、平成27年10月7日追加指定・名称変更、平成28年3月1日追加指定、平成30年2月13日追加指定、令和4年11月10日追加指定
指定等区分 国指定
文化財分類 史跡
管理団体 広川町,日高町

解説

鹿ヶ峠は『紀伊続風土記』に「河ノ瀬村から登り約二一町、原谷奧から十四町ばかり、字小峠をもって有田、日高の境をなす」とあり、文献にも多数記載される険しい峠である。峠の頂上部は、標高約350メートルの「大峠」と呼ばれている東西40メートル・南北30メートルほどの平坦地で、昭和の初期まで茶屋が営まれていた。大峠から約400メートル下った所に「小峠」と呼ばれている山塊の鞍部(あんぶ)があり、そこが郡界で、上側が有田郡広川町、下側が日高郡日高町である。
小峠の少し上手に30センチほどの馬頭観音像(ばとうかんのんぞう)が置かれており、横の平坦地には、かつて茶屋が存在した。道路脇に高さ約50センチの地蔵菩薩を陽刻(ようこく)した道標があり、「右かみくさの滝へ十五丁、たから村金屋某」の銘がある。
小峠から下に、約500メートルにわたる長大な石畳道が続いている。石材は道の周囲の岩盤から採取された砂岩で、長さ約30センチ前後のやや小型の石材を敷いている。石の継ぎ目が直線状になった箇所が数十メートル単位で見られ、構築単位が分かる。道は山の斜面を縫うように造られている。
広川町内の鹿ヶ瀬峠は、大峠・小峠間の旧状が良好に残る範囲が、平成27年(2015年)10月7日に国史跡「熊野参詣道」に追加指定された。
日高町内の鹿ヶ瀬峠は、小峠と呼ばれる付近から下る坂道で、照葉樹の古木に囲まれた近世以前の約500メートルの石畳区間を含んでおり、道の傍らには室町時代の題目板碑と石仏が現存している。この範囲が平成30年(2018年)2月13日に国史跡「熊野参詣道」に追加指定された。

所在地