鰐口 わにぐち
| 員数 | 1口 |
|---|---|
| 地域 | 東牟婁地域 |
| 所在地 | 東牟婁郡那智勝浦町那智山 |
| 時代 | 安土桃山時代 |
| 指定年月日 | 平成20年6月24日指定 |
| 指定等区分 | 県指定 |
| 種類 | ⼯芸品 |
| 所有者 | 宗教法人那智山青岸渡寺 |
解説
本鰐口は、那智山青岸渡寺本堂の外陣中央に懸けられているもので、銅の鋳造製、直径124㎝、厚さ41㎝の大型鰐口である。鼓面の張りはあまりなく、意匠は表裏同文で、中心の撞座は八葉蓮華文とし、鼓面は圏線によって5区に分けられる。「天正十八年庚寅卯月日 豊臣朝臣関白殿下太政大臣秀吉敬白」等の陰刻銘があり、天正18年(1590)豊臣秀吉によって奉納されたことが明らかである。「紀伊続風土記」によれば、江戸時代後期の那智山には本鰐口の他にも豊臣家寄進による鰐口が複数伝来していた。天正18年の「多聞院日記」はこれら鰐口に関し、豊臣秀吉・秀長の母である大政所が施主となり那智山奉納のため大小9口の鰐口が整えられたことや、炎上して溶解した東大寺大仏の銅を転用し奈良において鋳造されてたことなどを伝える。以上のように本鰐口は、全国的にも最大級の大きさを持つ鰐口として金工史上高い価値を有するとともに、天正期の那智山復興にあたり豊臣家により奉納された経緯も明らかで、那智山の歴史を知る上でも重要である。