浦家住宅 うらけじゅうたく
員数 | 4棟 |
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構成要素 | 主屋(おもや)、隠居屋(いんきょや)、文庫蔵(ぶんこぐら)、前蔵・中蔵及び櫨蔵(まえぐら・なかぐらおよびはぜぐら) |
地域 | 有田地域 |
所在地 | 有田郡広川町広1310 |
時代 | 江戸末期・明治後期・大正前期・昭和前期 |
指定年月日 | 令和3年2月26日登録 |
指定等区分 | 国登録 |
文化財分類 | 有形文化財(建造物) |
所有者 | 個人 |
解説
濱口梧陵ゆかりの旧広村中心部に所在し、主屋は質の高い近代和風建築で、現在は一部を改装し、浦家が経営する会社の事務所として使用している。浦家は代々山林、肥料、石灰製造や海運業等を営み、昭和29年(1954年)に中央工業株式会社を設立し現在に至る。
主屋は主体部と座敷部からなり、南北に走る通りに東面して建つ。つし2階建、入母屋造、瓦葺の主体部と、その北側に平屋建、切妻造、瓦葺の座敷部が取り付く。建設年代は明らかでないが、主体部は明治後期建設、座敷部は大正前期増築と見られる。小屋裏まで吹抜けのホール(旧台所)や、良材を駆使した座敷は見応えがある。
隠居屋は昭和前期の建設と見られる建ちの高い2階建の座敷で、平屋建の風呂が付属する。北東2面の外壁は定規筋を設けた大壁とし、重厚な外観を造る。内部は各階に2室ずつ座敷を設けた上質な造り。
文庫蔵は、隠居屋の縁側より接続し、妻入(つまいり)の正面に庇を設けた土蔵で、大正前期建設と見られる。正面入口を観音開戸とし、格式高く造る。
前蔵・中蔵及び櫨蔵は、三つの蔵が一体となったL字型の土蔵で、江戸時代末期建設と見られる。正面側を海鼠壁(なまこかべ)で飾った外観は、文庫蔵と共に屋敷の景観を引き締めている。