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顯國神社の三面獅子 けんこくじんじゃのさんめんじし

顯國神社の三面獅子1
地域 有田地域
所在地 有田郡湯浅町湯浅
指定年月日 平成21年3月17日指定
指定等区分 県指定
文化財分類 無形⺠俗⽂化財
所有者 顯國神社三面保存会

解説

顯國神社の三面獅子は、湯浅町民の崇敬を集める当社の祭礼において欠くことのできない存在である。当社の三面獅子は、毎年7月18日の若宮祭(夏祭)、10月18日の例祭(秋祭・湯浅祭)及び大晦日に顯國神社を中心に奉納される。
三面獅子がいつ頃から行われているかは不明であるが、江戸時代中期には湯浅中町に鎮座した諏訪神社を崇敬した湯浅の北王城・南王城(旧地名)の若衆によって受け継がれていた。また、この獅子が顯國神社の祭礼に参加したことは、嘉永4年(1851年)の『紀伊国名所図会』等でも明らかである。
三面獅子は、鼻高面のオニ1人、鬼面のワニ1人、獅子2人、太鼓1人、介添えの世話役数人によって構成され、顯國神社の夏祭及び秋祭において神輿を先導し、渡御(とぎょ)の道行きを祓い清める役割を担う。その所作は、締太鼓のゆったりとしたテンポに合わせ、鉾を持ったオニとワニが踊りながら魔物である獅子を鎮める古風な所作を残す。
また、その芸態は、南隣の広川町・廣八幡宮の「広八幡の田楽」(国選択無形民俗文化財)と、北部の有田川流域に広く分布する獅子舞との中間的な要素を示し、中世の獅子舞の様式をとどめている。その意味で、顯國神社の三面獅子は、当地域の獅子の芸能の変遷と地域的展開を考える上で貴重な存在である。