護国院本堂 ごこくいんほんどう
員数 | 1棟 |
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地域 | 海草地域 |
所在地 | 和歌山市紀三井寺1201 |
時代 | 江戸時代 |
指定年月日 | 昭和49年4月9日指定 |
指定等区分 | 県指定 |
文化財分類 | 有形文化財(建造物) |
所有者 | 護国院 |
解説
救世観音宗(ぐぜかんのんしゅう)の総本山で、紀三井山金剛宝寺護国院(きみいさんこんごうほうじごこくいん)と称し、西国三十三所観音霊場の第2番札所(ふだしょ)となっている。寺伝では奈良時代に創建され、十一面観音像を本尊としたという。境内は名草山(なぐさやま)の中腹にあり、景勝地の和歌浦を眼下に見下ろすことができる広大な敷地に、重要文化財の多宝塔、鐘楼、楼門、本尊十一面観音立像、千手観音、梵天帝釈二天立像などの多くの文化財がある。
一般には「紀三井寺(きみいでら)」の名で知られるが、これは境内に清浄水(せいじょうすい)、楊柳水(ようりゅうすい)、吉祥水(きっしょうすい)の三霊水があることにちなみ、近江の三井寺(園城寺)と区別して「紀三井寺」と呼ぶようになったものといわれている。
現在の本堂は、棟札によれば宝暦9年(1759年)に一般民衆の協力によって建立されたもので、高欄(こうらん)の擬宝珠(ぎぼし)金具は寛政元年(1789年)に奉納されたものである。本堂は桁行五間、梁間五間、正面に三間向拝(こうはい)と背面に桁行三間、梁間三間の後陣(こうじん)を付した平面で、屋根の正面に軒唐破風(のきからはふ)と千鳥破風(ちどりはふ)を付けた、入母屋造、本瓦葺の建物である。札所建築にふさわしい規模を持ち、多くの巡礼者が入れるよう外陣(げじん)を開放とする。
この建物は建築年代が明らかであり、総欅(けやき)造りで技術的にも優れ、この時代を代表する大建築である。