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わかやまの文化財フォトコンテスト わかやまの文化財フォトコンテスト

紙本墨画朝顔に蛙図 長沢芦雪筆 襖貼付 しほんぼくがあさがおにかえるず ながさわろせつひつ ふすまはりつけ

員数 6面
所在地 和歌山県立博物館(和歌山市吹上一丁目4番14号)
時代 江戸時代中期(天明7年)
指定年月日 令和8年3月18日指定
指定等区分 県指定
分類 絵画
所有者 高山寺

解説

紙本墨画朝顔に蛙図は、田辺市に所在する真言宗寺院高山寺(こうざんじ)に伝来した、江戸時代を代表する画師の一人である長沢芦雪(1754~1799)によって描かれた障壁画である。
本作は、紙本墨画、襖貼付とし、左4面が各縦177.8cm、横108.8cm、右2面が各縦177.8cm、横85.9cmである。現状で右2面の下半部が欠失する。高山寺においてめくりの状態で長く保管されていたが、平成9年(1997年)に襖に仕立て直す修理が行われた。
芦雪は円山応挙(まるやまおうきょ)の高弟で、師の代わりに天明6年(1786年)から翌年にかけて紀南の無量寺(むりょうじ)、成就寺(じょうじゅじ)及び草堂寺(そうどうじ)を訪れ、大量の障壁画(重要文化財)を制作した。その帰路に立ち寄ったのが高山寺で、当時の住職の日記「三番日含(さんばんにちがん)」には、芦雪が天明7年(1787年)2月12日から15日に高山寺に滞在し、「上段蔵前襖」「膳越屏風」「雪山之大幅」等を制作したことが記される。このうち「上段蔵前襖」が本作にあたるとみられている。
本作は、左辺から画面いっぱいに蔓を伸ばす朝顔を大胆な構図で配し、右には蔓の絡まった篠竹と、とぼけた顔で空を見上げる二匹の蛙、そして月を描く。晩夏から初秋頃の、涼しく湿潤な夜明け前の情景が巧みに表されている。襖3面を横断する蔓は各面においてほぼ一筆で描かれており、均一かつしなやかな筆致に技量の高さがうかがえる。
紙本墨画朝顔に蛙図は、長沢芦雪の作品中、制作時期や経緯などが明らかなものとして稀少であり、芦雪研究の上で欠かすことのできない基準作例である。紀南で才能を開花させたと評される天明期の芦雪ならではの大胆な構図と確かな技量、そして面白みを十分に発揮した優品として高い価値を有している。