塑造薬師如来坐像 そぞうやくしにょらいざぞう
| 員数 | 1躯 |
|---|---|
| 地域 | 海草地域 |
| 所在地 | 海南市幡川 |
| 時代 | 奈良時代 |
| 指定年月日 | 平成19年6月12日指定 |
| 指定等区分 | 県指定 |
| 種類 | 彫刻 |
| 所有者 | 宗教法人禪林寺(禅林寺) |
解説
禅林寺は、海南市幡川の谷あいに所在する真言宗寺院で、聖武天皇の勅願により唐僧の為光上人が開創したと伝えられる古刹である。中世には谷筋一帯に伽藍が広がる大寺院であったという。本像は、禅林寺の本尊で、県内では珍しい塑像技法により造立された薬師如来坐像である。寺は建武、天正と二度の火災に遭い、そのため像頭部の表面は焼損により変質している。また、頭部と体部には様式的に時代差が認められる。頭部は眼瞼の表現や張りのある頬、面長で均衡のとれた造形から奈良時代に遡るものとも考えられ、一方体部は南北朝から室町時代の制作と判断される。すなわち、当初制作された像が建武の火災により焼損し、残された頭部に合わせて南北朝から室町時代に体部が補作されたと推定される。天正の兵火後、慶長2年(1597)には前立ちの木造薬師如来坐像がつくられ、その後本尊の修理を行った。奈良時代に遡る可能性がある頭部はもちろん、体部も造形的に優れ、中世塑像の貴重な作例といえよう。