紀美野町のヒダリマキガヤ群 きみのちょうのひだりまきがやぐん
員数 | 13本 |
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地域 | 海草地域 |
所在地 | 紀美野町毛原、谷、松ケ峰 |
指定年月日 | 平成31年2月7日指定 |
指定等区分 | 県指定 |
文化財分類 | 天然記念物 |
所有者 | 個人 |
解説
ヒダリマキガヤは常緑針葉樹であるカヤの一品種で、種子の表面に左巻きの螺旋状沈線を持つものが多いことからこの名が付けられ、通常のカヤと比較して種子の長さが3.3~5センチと大形であるという特徴がある。カヤの種子には脂肪分が多く含まれ、かつては灯明用や食用の油を得るための重要な資源であり、各地で栽培されていた。
紀美野町で産出したカヤの種子や油は高野山へ年貢として貢納されており、種子が大形で効率的にカヤ油を収穫できるヒダリマキガヤが意図的に多く植えられ、現在に至ったものと考えられてきた。平成27年度(2015年度)から同29年度(2017年度)にかけて、紀美野町教育委員会により約190本のカヤの分布調査と種子の計測調査が実施され、このうちヒダリマキガヤと考えられる個体が25本、その可能性が高い個体が20本存在することが判明し、当地域にヒダリマキガヤが高い密度で分布していることが証明された。
紀美野町のヒダリマキガヤ群はこの地域に住む人々が大切に扱ってきた結果、今日まで数多く残されてきたものであり、学術上の価値が高く、群としての希少性が評価されている。