琴ノ浦温山荘庭園 ことのうらおんざんそうていえん
員数 | 46554.57㎡ |
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地域 | 海草地域 |
所在地 | 海南市船尾370-1 |
時代 | 大正~昭和 |
指定年月日 | 平成22年2月22日指定 |
指定等区分 | 国指定 |
文化財分類 | 名勝 |
所有者 | 公益財団法人琴ノ浦温山荘園 |
解説
明治21年(1888年)に日本で初めて動力伝達式革帯ベルトを製作し、その後世界有数のベルトメーカーとなった新田革帯製造所(現ニッタ株式会社)の創業者新田長次郎(にったちょうじろう)により、大正から昭和初期にかけて造園された庭園である。武者小路千家家元名代木津宗泉の指導のもと、新田の好みを加えて造られ、伝統的な中に独自の工夫を凝らした近代日本庭園である。
園内には東西2か所に広大な池を配し、当初はそれぞれを7本の地下配管によってつないでいた。現在も、1か所の取水口と3本の地下配管が現存し、それぞれに外部から海水を取り入れる潮入式の構造をとっている。池には、多数の結晶片岩の巨石を用いて護岸とし、西池には全長約7.6メートルの一枚石の橋を渡している。また、自然石をモルタルでコーティングして好みの庭石に仕上げた人造石を用いているほか、魚止め柵、矢ノ島トンネルなど、園内各所にコンクリートを使用するなどの特徴が見られる。
園内の建造物は、主屋、浜座敷、茶室の3件が重要文化財に指定されている。また、開園以来広く一般に公開し、宮家をはじめとした多くの著名人が来園・宿泊したことも大きな特徴の一つである。