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広村堤防 ひろむらていぼう

解説

湯浅湾の奥に位置する防潮堤(ぼうちょうてい)で、前後2列からなる。前方(海側)の低い堤防は中世に畠山氏(はたけやまし)によって築かれたものといわれ、後方にある高い土堤は安政元年(1854年)の安政南海地震による大津波の後に濱口梧陵が完成させたものである。堤防は延長652メートル、基底部幅17メートル、高さ約3.4メートルで、砂礫(されき)土と粘土によって築かれている。横断通路が2か所にあり、うち1か所には「赤門」と呼ばれる両開きの鉄扉が付いている。
この堤防によって、背後の市街地は昭和21年(1946年)の昭和南海地震による津波の被害を免れ、現在では濱口梧陵の「稲むらの火」の逸話とともに、和歌山県の防災・減災のシンボルとして注目されている。

所在地