伊勢屋 いせや
員数 | 2棟 |
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構成要素 | 北蔵(きたぐら)、南蔵(みなみぐら) |
地域 | 日高地域 |
所在地 | 御坊市薗744 |
時代 | 明治前期~大正時代 |
指定年月日 | 平成30年3月27日登録 |
指定等区分 | 国登録 |
文化財分類 | 有形文化財(建造物) |
所有者 | 個人 |
解説
「伊勢屋」の屋号を持つ田淵(たぶち)家は、御坊市街地南西の小竹(しの)八幡神社の近くに敷地を構え、江戸時代より酒造業を営む家であった。家系図によると、初代田淵惣左衛門が元禄年間に当地に居住したのが始まりで、酒造業も同時期の創業と伝えられる。近代に入っても昭和62年(1987年)に廃業するまで営業を続けた。
北蔵は生活用具庫と作業場からなり、建築面積は205平方メートルで、明治前期頃の建築と考えられる。作業場は瓶詰めや瓶洗い場として使用され、内部は柱を減らして広い作業用の空間を確保している。南蔵は、建築面積386平方メートルの大規模な土蔵(どぞう)で、主体部の北に増築部を接続して北蔵とつなぐ。主体部は別の場所にあった土蔵を大正期に移築して建てたと伝えられ、増築は昭和前期と考えられる。1階は仕込場で、2階には室が構えられていた。梁を縦横に架け渡して組む梁組は壮観である。
伊勢屋の北蔵と南蔵は、いずれも酒造りに欠かせない施設で、大規模な酒蔵は、御坊における酒造業の歴史を伝える貴重な遺構である。