文台 ぶんだい
| 員数 | 1基 |
|---|---|
| 地域 | 西牟婁地域 |
| 所在地 | 田辺市本宮町本宮 |
| 時代 | 室町中期 |
| 指定年月日 | 平成22年3月16日指定 |
| 指定等区分 | 県指定 |
| 種類 | ⼯芸品 |
| 所有者 | 宗教法人熊野本宮大社 |
解説
文台とは、書物や硯箱を置く台のことで、中世以降、歌会や連歌会などの会席において、懐紙や短冊をのせて披講したり、会に出された歌や句を筆記する机として用いられ、会席の場を儀礼的に調える中心をなす調度品である。本件は、熊野本宮大社に伝来した木製漆塗の文台である。その構造は、薄い天板裏の四隅に刳形付の脚部を四つ配し、天板上の左右に細長い桟状の薄板を張って筆返しを設けている。また、総体は、やや褐色を帯びた黒漆塗で、天板も四脚も薄く華奢に作られ、室町時代に定型化された形式を示している。また、天板裏に記された朱漆銘により、寛正6年(1465)に芝僧正宣胤によって奉納されたことが知られる。なお、同じ朱漆銘は同社に伝来する硯箱にも記されており、両者の作風は異なるものの、一具として寄進されたことが知られる。熊野本宮では、寛正2年(1461)4月9日に火災が発生し、その後、寛正6年頃まで復興造営が行われたと見られ、本品は、その造営と遷宮にあわせて同社に寄進された奉納品と考えられる。このように、熊野本宮大社蔵の文台は、中世の紀年銘を持つ文台として貴重な作例である。