那智参詣曼荼羅 なちさんけいまんだら
| 員数 | 1幅 |
|---|---|
| 地域 | 西牟婁地域 |
| 所在地 | 田辺市東陽(奈良国立博物館寄託) |
| 時代 | 室町時代 |
| 指定年月日 | 平成22年3月16日指定 |
| 指定等区分 | 県指定 |
| 種類 | 絵画 |
| 所有者 | 宗教法人鬪雞神社 |
解説
参詣曼荼羅は、寺社の境内を描いて、勧進聖が布教・勧進のために用いたもの。中世末~近世初期にかけて制作された。那智参詣曼荼羅は、那智大社、如意輪堂、那智の滝、妙法山、浜の宮など、那智山一山の信仰空間を一図に収める形で描かれる。
本作は、闘鶏神社に伝来した紙本著色の軸装の那智参詣曼荼羅である。他の作例と比べて図柄が細かく、那智山内各所の様子や160人近くの参詣人の服装・表情等もはっきりと描かれ、往時の那智山の様子や熊野詣の風俗をうかがうことができる。また、建物の壁に金彩を効果的に用いるなど、良質な絵の具を使用しており色調が明快である。
何より特筆すべきは、裱背に記された修理銘で、慶長元年(1596)に「此画図巳在」とあることから、制作自体はそれ以前の、中世に制作されたことが判明する。現在全国各地で確認されている那智参詣曼荼羅の中で、本作は中世に制作されたと推測できる唯一の事例であり、那智参詣曼荼羅の最初期の作品として、その後の展開を考察する上での基準作例といえる。