紀伊風土記の丘松下記念資料館 きいふどきのおかまつしたきねんしりょうかん
員数 | 1棟 |
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地域 | 海草地域 |
所在地 | 和歌山市岩橋1411 |
時代 | 昭和46年 |
指定年月日 | 令和4年2月17日登録 |
指定等区分 | 国登録 |
文化財分類 | 有形文化財(建造物) |
所有者 | 和歌山県 |
解説
特別史跡岩橋千塚古墳群(いわせせんづかこふんぐん)とその周辺環境を保全管理するため、昭和46年(1971年)に開園した博物館施設で、令和3年(2021年)に開館50周年を迎えた。
その中核施設である資料館は、和歌山市出身の実業家松下幸之助の寄附により昭和46年(1971年)に竣工した。設計は岡山県を中心に活躍した建築家浦辺鎮太郎(うらべしずたろう)が代表を務める浦辺建築事務所であった。
資料館は鉄筋コンクリート造平屋建地階付で、古墳群のある丘陵の周辺景観に配慮し、ボリュームを抑えた外観とする。モダニズムを基調としつつも、大面取りされた柱形や、伝統的な腰長押(こしなげし)を模した水切(みずきり)が和風を思わせる意匠である。また、地元特産の紀州青石を一面に貼り付けた外壁や銅鐸を模した面格子等により、地方性や施設の性格が表現された特徴ある意匠となっている。
和歌山県では著名建築家が手掛けた近現代建築の作品は少ない中で、周辺の景観に溶け込むこの資料館は、造形の規範となる貴重な文化財である。