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ブドウハゼの原木 ぶどうはぜのげんぼく

解説

ブドウハゼは落葉小高木であるハゼノキの一栽培品種であり、果実が通常のハゼノキより大きく、ブドウに似ていることからその名が付けられている。天保年間(1831年~1845年)に那賀郡松瀬村(現在の紀美野町松瀬)で発見され、その後、昭和9年(1934年)に「葡萄櫨ノ原木」として県指定天然記念物に指定された。しかし、昭和31年(1956年)に和歌山県文化財保護条例が施行された後、再指定の申請がされず、自動的に指定が解除となっていた。
平成29年(2017年)、りら創造芸術高等学校の生徒が紀美野町域で栽培が盛んだったブドウハゼについて調査を行い、かつて指定されていた原木と考えられるブドウハゼを紀美野町松瀬において発見した。その木は現在、竹や棕櫚(シュロ)が生える山林内に生育しており、根元幹周は158センチ、樹高は8.2メートルである。その樹形について古写真と照合した結果、旧指定木と一致したほか、果実について形態学的な比較調査を行った結果、栽培品種ブドウハゼのものと一致することが分かった。また、聞き取り調査の結果、過去に、木の近傍に天然記念物であることを示す看板が立っていたとの証言を得たことから、この木の品種はブドウハゼであり、過去に「葡萄櫨ノ原木」として指定されていた樹木と同一個体であると考えられる。
このブドウハゼの原木は、周辺地域の生業を支えた栽培植物の原木として貴重である。