浄土寺のクス じょうどじのくす
解説
有田川町西ケ峯(にしがみね)に所在する浄土寺の境内南西部に生育している。幹周8.76メートル、樹高約17メートルである。浄土寺は、平安時代末期の寿永年間(1182年~1183年)の開基とされ、感西(かんさい)上人が熊野参詣の帰路に西ケ峯を通り、寺を建立したことに始まるとされる。この木の根元には大きな樹洞があり、聖徳太子の石像が祀られている。寺の本尊が聖徳太子作の阿弥陀如来像であったという伝承があり、慶長年間(1596年~1614年)に浄土寺が火災に遭った際には、阿弥陀如来がこの木の樹洞に逃れたと伝えられている。