鹿ヶ瀬峠 ししがせとうげ
地域 | 有田地域 |
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所在地 | 有田郡広川町河瀬,日高郡日高町原谷 |
指定年月日 | 平成23年3月15日指定、平成28年3月15日一部指定解除、令和4年11月10日一部指定解除 |
指定等区分 | 県指定 |
文化財分類 | 史跡 |
所有者 | 広川町,日高町 |
解説
鹿ヶ峠は『紀伊続風土記』に「河ノ瀬村から登り約二一町、原谷奧から十四町ばかり、字小峠をもって有田、日高の境をなす」とあり、文献にも多数記載される険しい峠である。峠の頂上部は、標高約350メートルの「大峠」と呼ばれている東西40メートル・南北30メートルほどの平坦地で、昭和の初期まで茶屋が営まれていた。大峠から約400メートル下った所に「小峠」と呼ばれている山塊の鞍部(あんぶ)があり、そこが郡界で、上側が有田郡広川町、下側が日高郡日高町である。
小峠の少し上手に30センチほどの馬頭観音像(ばとうかんのんぞう)が置かれており、横の平坦地には、かつて茶屋が存在した。道路脇に高さ約50センチの地蔵菩薩を陽刻(ようこく)した道標があり、「右かみくさの滝へ十五丁、たから村金屋某」の銘がある。
小峠から下に、約500メートルにわたる長大な石畳道が続いている。石材は道の周囲の岩盤から採取された砂岩で、長さ約30センチ前後のやや小型の石材を敷いている。石の継ぎ目が直線状になった箇所が数十メートル単位で見られ、構築単位が分かる。道は山の斜面を縫うように造られている。
なお、平成27年(2015年)と平成30年(2018年)に一部が国史跡「熊野参詣道」に追加指定された。