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世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」を守ろう

世界遺産条約は、登録資産(コアゾーン)及び世界遺産特有のものとして資産の周囲に設けられている緩衝地帯(バッファゾーン)を登録時の状態に保つため、開発や環境問題、自然災害や観光などによる圧力を排除することを目的としています。そのため、国の「文化財保護法(ぶんかざいほごほう)」を軸に、世界遺産がある地元の3市8町の「景観保護条例(けいかんほごじょうれい)」と、県の「世界遺産条例(せかいいさんじょうれい)」「景観条例(けいかんじょうれい)」が制定されています。

また、「紀伊山地の霊場と参詣道」の登録資産は参詣道と霊場に含まれますが、距離が長い参詣道については地元の3市8町が文化庁長官から指定された管理団体として保存管理にあたり、霊場は所有者である神社や寺院が管理することになっています。さらに、保存管理の方針や具体的な方法を指し示すため、各市町では「登録資産ごとの保存管理計画」を策定し、それらをまとめた「県の保存管理計画」と、世界遺産全体を対象とする国の「包括的(ほうかつてき)保存管理計画」も整えられています。

このように、法律や条例、保存管理計画は一応そろっていますが、ユネスコでは世界遺産がしっかりと守られているかを調べて報告する「モニタリング」(定期報告)を義務付けています。また、世界遺産の価値を危うくする事態が起こったり予測される場合には「危機にさらされている世界遺産リスト」(略して「危機遺産リスト」)に載せ、登録国に速やかな対応を勧告するとともに、世界がカを合わせて資金や技術といった援助の手を差しのべることとしています。

「紀伊山地の霊場と参詣道」は神仏の宿る紀伊山地の自然を基盤とするだけに、世界遺産の周囲の山や森ぐるみで保護することが大切ですが、他の世界遺産よりも圧倒的に広い範囲を守り国際社会の一員としての責務を果たすためには、仕事として世界遺産の保護に携わる限られた人たちだけでなく、みなさんも含めた多くの人々が守る心を持ちつづけることが必要です。